自分に巣食う「悪」
ちょっと話は横道にそれますが、私は同じ本やビデオを何回も見ることができる人間です。 特にビデオ(DVD)などは何回見ても新しい発見があって楽しいんです。 初回はもちろん主人公の顔を中心に見ますよね。でも2回目以降は違う場所を見たりしてます。 主人公の後ろの人、街の風景、通りの自動車、など、ちょっと目線を移すのが好きなんです。 何度も見るので、セリフなんて覚えてしまってます。宮崎駿のDVDなんて、数えられないくらい見ましたので、 たいていの部分のセリフは分かってます。ちょっと変わってますかね。
マンガ本なども何回も読みます。昔集めていた「ろくでなしブルース」、「ツルモク独身寮」、 この2つ、引っ越すときにブックオフに売っちゃったんですよね。今思えばとっておけばよかった。 残したのが「北斗の拳」の大きい本。全15巻くらいでしょうか。
「北斗の拳」をご存知の方は、最後の方の「カイオウ」ってご存知ですよね。 彼は自分の中にある心を、自らの体に傷をつけることで1つずつ消していったんです。 そして最後にカイオウの弟のラオウが会いに来たとき、「最後に残っていた1つの心」 といって自らの左胸に拳を刺し、ラオウの心を消し去ったんです。
休職してから3ヶ月ほど経った頃でしょうか。ふと、上述の「北斗の拳」のカイオウのシーンが蘇ってきて、 「そうやって自分の中に巣食う悪い心を消し去るのか」と思い立ちました。
自傷の始まりでした。
最初はカッターで腕を引っかく程度でした。次第にエスカレートしていきました。 カッターは切れが悪かったので、ウチではあまり使っていなかった果物包丁を研ぎ石でよく研ぎました。 怖い姿ですよね。これから自分の体を傷つけるものを整えている。これほど怖い姿はないと思います。
でもそうやって研いだ包丁でも満足はできませんでした。しょうがないので新しいカッターの刃を買ってきました。 どんどんエスカレートしていきました。
人間の体というか皮膚って意外と丈夫で、ちょっとカッターを走らせるくらいでは切れないんです。 そして私が取った方法は、皮膚を広げながらかなりの力で押し込むように切る。 これをやるようになって、かなり深い傷が入るようになりました。もちろん出血はすごいものです。 血だらけのティッシュがすぐにゴミ箱いっぱいになります。
そんな傷を左腕に50本くらい入れたでしょうか。今でもくっきりと傷跡が残っています。 この自傷行為、エスカレートするんですよね。実は復職した後でも会社の健康管理室への不信感が募り、 その怒りが自分に向いてしまいカッターに手を伸ばしたことがありました。この時はかなりの怒りでやったので、 「縫う必要があったのではないか」というくらい、幅の広い傷跡が残りました。
当初は自分の心に巣食う悪を追い出すために始めた自傷行為ですが、次第に目的は単純に 「自分の体をいじめる」という方向に向いていました。この「自分の体をいじめる」は私の中にずっと持ち合わせていた思いです。 今後の私の行動にもずっと付きまとっていました。
医者はもちろん、妻、両親、みんなが自傷行為を止めさせようとしました。当然ですよね。 そしてそれに変わるものを見つけたんです。ある1冊の本が私を登山へと方向転換させたんです。
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2010年11月15日 | コメント/トラックバック(0) | トラックバックURL |



