再び襲う孤独感

うつ病は絶望感や孤独感との闘い、とよく言われます。2009年12月頃、会社が嫌でたまらなくなってしまったんです。 今まで仕事が嫌いなんて思ったことはありませんでした。 ITサービス業のテクニカルコンサルタントとしてお客様に喜んでいただく仕事に誇りを持っていましたし、 製造業のお客様と接することが大好きでした。

しかし復職して6ヶ月目の10月半ば頃からなんとなく違和感を覚えるようになったんです。 まず朝起きられなくなりました。それまでは目覚ましがなれば苦労することも無く起きることができていたんですが 目覚ましを止めて2度寝するようになっていました。ただ単に疲れが溜まってきたのかな、 程度にしか思っていなかったのですが、これが11月、12月と月日が経過するごとにつらくなりました。

11月半ば頃から出張にも行くようになり、仕事もだいぶ軌道に乗っていたんです。 しかし、山形に出張に行った際、ホテルで夕食を食べているときにふと、「あ、仕事が嫌なんだ」と思ってしまったんです。 そう、仕事が嫌になっていたんです。朝に目が覚めると会社に行きたくないと思い、でも母親の送りで最寄り駅から電車に乗ります。 通勤時間帯ですから、みんな殺気立ってます。走っている人もいれば早足で歩いている人もいます。 そんな中、私はそれにつられて走るときもありましたが、たいていはそんな人たちよりもかなり遅いペースで歩いていました。

そして会社の近くまできて、「ダメだ」と思って近くの喫茶店で始業時間ギリギリまで コーヒーを飲みながら本を読んでいたこともかなりありました。


完全に再発でした。

主治医には「うつがぶり返してしまっている」「うつの症状がひどくなっている」と言われ、薬が増やされました。 うつ病の再発は予想していなかったわけではないんです。色んなホームページやブログ、 書籍を見ていて再発は避けて通れないのかな、と復職当時には思っていました。 しかし、復職してから多少の気分の波はありましたが、すこぶる順調に会社に来れていました。そこへ来てうつ病の再発です。

再び、「なんで自分だけ」という思いが蘇ってきました。 うつ病になり1日中窓から高尾山を眺めていたときの孤独感と同じ感情でした。 さらに12月になってもこの感情は消えず、減ってきた薬も再び増えてしまい、頭痛や眠気、 手の振るえなどの副作用に耐えながらなんとか2009年は過ぎていきました。 さらに年明けに引越しも済ませていたため、孤独感はよりいっそう強いものになって行きました。

両親や主治医、産業医、保健師の方々は引越しは時期をずらすことを考えた方が良いと言いましたが、 私の中には「今の状況を変えるには生活を変えないといけない」という思いの方が強かったのです。 主治医は当初私が探していた会社の近所に引っ越すのではなく、会社と実家の中間地点くらいに引っ越すのが良い、 とのことだったのでそれは主治医の指示に従いました。

会社に入ったときから1人暮らしをしていたので、慣れているとは思っていたのですが、 結婚して妻と暮らすようになってから分担作業が多くなり、 1人暮らしを始めてからの数ヶ月間はちょっとした足りないものを揃えるのに色々と奔走してました。 そのため、あまり自分と向き合う時間が取れなかったため、これはこれでよかったのかもしれません。

その後1人暮らし用のグッズが一通り揃って、周辺の環境にも慣れ、会社までも近いので通勤も楽だし良いことばっかりだ、 と思っていたのですが、実はそうではありませんでした。

やはり予想はしていましたが、孤独感が襲ってきたのです。誰もいない家に帰る。 ペット飼育可なのですが、そこまでの余裕は無いので飼いませんでした。朝起きても朝食は1人で作り1人で食べる。 食器も洗わなければならない。洗濯、アイロンがけ、掃除、と家事全般を1人でやるという事に対して、 「オレには家族がいるのに何でこんなことをやっているんだろう」と疑問を持つ日もありました。

しかも2重生活は無理だと伝えた妻は、仕事をなかなか見つけませんでした。 メールを出しても返事がなかなか返ってこない、電話をしても通じない。全く話をすることができませんでした。 私も生活があるので妻と息子の生活費と住居費の名目として10万円を出すから、 不足分は仕事を見つけて稼いでくれ、とメールを出しました。返事は返ってきませんでした。

しかし、私は上記の通りにしました。妻は私の給料振込先口座の操作をできるので、 私は給料振込先口座に10万円だけが振り込まれるようにして、妻に、「そのお金がオレからの援助金だから」 というメールを出しました。給料の残りは私の口座に振り込まれるようにしました。 それでも妻は仕事探しをしているのかしていないのかも連絡がなく、 またどういう就職活動をしているのかも私には連絡がありませんでした。

上記の通り、妻からは一切連絡がないんです。私は「妻」という存在を疑い始めました。 彼女はいったい誰だったのだろう、大学の頃から付き合ってきた彼女ですから、 もう10年以上も付き合ってきました。しかし、この時の連絡手段のメール、電話が通じない。 拒否はしていないようだけれども返信がない。

こんなことをあれこれ考えているうちに孤独感は増すばかりでした。

しかしやはり孤独感は消えません。絶望感、孤独感、喪失感、などなど、 これらは一生背負っていかないといけないのかな、と当時は思っていました。

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